思いを語り合う“協働”研究


令和2年度(第55次)の石教研活動がスタートしました。「主体的・創造的で人間性豊かな子どもを育てる教育の確立」を基本目標とし、「思いを語り合う“協働”研究〜たくましく未来を切り拓く石狩の子どものために〜」を年度の基本姿勢として掲げました。今こそ石教研に集う会員の総力を結集して、石教研活動の3本柱である専門部会研究・課題部会研究・学校課題研究を推進し、管内教育の充実・発展を図っていきたいと考えています。

石教研は、昭和41年(1966年)、戦後教育の黎明期を経て、教育現場における研究方法を“共同”〜力を合わせて事を行う〜研究に求める管内教職員の熱い思いの中で生まれました。同年3月に設立総会が行われ、4月1日には、「石教研情報」が創刊されました。そこには、自主性・現場性を大切にし、共同での研究活動を推し進めようとする、設立を主導された方々の力強い言葉が残されています。私たちは、この石教研の基本姿勢を常に大切にしてきました。そして、このことが、他に例を見ない優れた研究組織として、着実に会員一人一人の力量を高め、石狩の教育を支え発展させてきたのだと思います。

石教研の理念であります「全ての教職員で石狩の子どもたちのために」という同じ目的に向けて心を一つにして、「一人の百歩より、百人の一歩」を心に留め、会員が一丸となり、今こそ“協働”〜同じ目的に向かって、自分が出来ること、得意分野で力を発揮する〜研究に向き合う石教研であり続けなければならないと考えています。

昨年度は、専門部会研究は2年継続研究の2年次、課題部会研究は2年継続研究の1年次として、大きな成果を収めることができました。また、学校課題研究では、江別市立大麻東小学校が「算数科の授業作りを通して、進んで考え、学び合う生徒の育成」、千歳市立青葉中学校が「わかる授業づくりの実践を通して、自ら学びに向かう生徒の育成」について、その研究成果を広く管内・全道に発信していただきました。部会運営・課題研究発表に当たられた、役員と会員の皆様に心より敬意を表すると共に、この成果を次の実践につなげる意識を強くもって、今年度の研究に取り組んでいきたいと思います。

 小学校では、「新学習指導要領の全面実施」が始まり、中学校も来年度に控えています。教育現場では「働き方改革」の推進、「初任者への教育技術の継承と資質・能力の向上」も喫緊の課題となっています。このように私たちの前には、教育課程の編成・実施に関する、多くの取り組むべき課題があり、今まで以上に石教研が果たすべき役割も極めて大きいことを実感しています。石教研会員一人一人が、石狩の教育を創り上げる自覚と喜びを持ち、石狩の子どもたちの確かな学びと成長のために、私達の石教研で、互いに教育に対する思いを語り合い、石狩の“協働”研究を、しっかりと進めていきましょう。

石狩管内教育研究会

会長 小笠原 輝幸

(千歳市立青葉中学校長)