教育への自負と自主性をもとに、
現場実践と“協働”研究でたくましい石狩の子どもの育成を

 4月7日に役員研修会・定期総会が開催され、平成28年度(第51次)の石教研活動がスタートしました。今年度は、「主体的・創造的で人間性豊かな子どもを育てる教育の確立」を基本目標とし、「現場実践と“協働”研究で切り拓く、次の50年〜教育への自負と自主性で、たくましい石狩の子を育てよう!」を研究推進の基本姿勢として掲げました。

昨年度は、石教研の創設から50年を迎える節目の年でした。発足当時の理念である「全ての教職員で石狩の子どもたちのために」「一人の百歩より、百人の一歩」を再確認すると共に、「チーム一丸〜石狩の歴史と伝統を受け継ぎ、全員の手で、進んで行動できる子どもを育てよう!」を基本姿勢として石教研活動を進めてきました。専門部会第二次研究協議会では、授業公開や各市町村研究を持ち寄った現場実践をもとに熱心な研究協議が行われました。また、課題部会研究は、今日的教育課題を踏えた部会再編の初年度でした。課題部会研究協議会では外部講師を招いての講演やワークショップ、討議の深化をめざした事前調査やグループ編成など、参画型を意図した部会運営が行われました。さらに、学校課題研究発表会では、恵庭市立若草小学校の道徳の時間を要とした「子どもの自尊感情を育む教育の在り方」や千歳市立勇舞中学校のICT等の活用による「新たな知を切り拓く意欲をもった生徒をはぐくむ学習過程の研究」は、今日的教育課題を踏まえた実践研究であり、大きな示唆を与えるものでした。

石教研は、私たちにとって当たり前の存在です。当たり前の存在は、得てしてマンネリ化や活動の停滞に陥りやすい傾向があります。石教研は全国的に稀にみる研究団体です。個人・各学校・市町村・石狩管内の研究を紡ぐ石教研の研究組織であるからこそ、教師個々の資質・能力の向上だけではなく、石狩管内全体の教育力の向上に寄与してきたと考えます。また、石教研の組織研究は、教育が独善に陥り、孤高のものにならないための交流・環流の場でもあります。私たちは石教研の理念と役割を常に心にとめ、活力にあふれ創造性豊かな組織をめざしていかなければなりません。

これまで石教研は敏感な時代感覚を持ち、様々な教育課題解明に向けて取り組んできました。今年度中にも改訂される学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」や「アクティブ・ラーニング」がキーワードとなっています。これからは、将来子どもたちが社会で生きていくために必要な資質・能力を見据え、「主体性」「協働性」を重視した教育課程の編成や授業づくりが求められています。これまでの石教研の財産を再確認すると共に、更に新しい教育の流れにも着目した石教研活動を進めることが大切だと考えます。

石教研会員2400名の力を結集し、教育への自負と自主性をもって、現場実践に基づいた“協働”研究を進めていきましょう。

石狩管内教育研究会

会長:甲斐 丈治

(江別市立対雁小学校長)