江別・江陽中学校/新保 雄三

研究員による試案 「民主主義とメディア」

■研究仮説
 多くの社会的事例から自ら学び、考え、生きた知識をもつ過程を経ることで普遍的な社会的価値(人間尊重・民主主義の理念)の大切さに気づき、絶え間なく変化する社会においても、たくましく生きぬく力を養うことができる。
■研究の重点
 新たな分野や教材、方法の発掘を行うとともに、「民主主義・人間尊重の理念」を育むため、自身の実践や交流から得られた共有財産を構造化する。そのような活動の交流を部会員相互の力量を高めることにもつなげる
■「揺らぐことのない普遍的な価値」である「民主主義・人間尊重の理念」に、生徒が自ずから気づき、育むことにより、絶え間なく変化する社会においても、たくましく生きぬくことができる。

■上記を踏まえ、今年度は「民主主義・人間尊重の理念」を育むために、分野や教材、方法の洗い出し、実践交流を行ってきた。各公開授業での取り組みや質の高いレポートの交流により、各部会員の財産の共有化がますます推進されたと考える。

■今年度は研究のまとめの年であり、昨年度に培ってきた本部会の共有財産を、さらに広げ、深めるとともに、共有財産の系統化・構造化を図りたい。「民主主義・人間尊重の理念」に生徒が自ら気づき、育むためには、さらにどのような題材があるのか、今まで取り組み難いと思われていた分野や単元でも取り組む方法はないのかを追及していきたい。また、精査されたそれらの内容・題材を系統化・構造化することは、分野・教材・題材・方法を貫く一本の幹を意識することであり、「揺らぐことのない普遍的な価値」を授業の芯に据えることでもある。

■各分野を見通した系統化・構造化を行い、生徒に3年間にわたり示し続け、体験させ続けることにより、生徒たちに「民主主義・人間尊重の理念」に自ら気づかせ、それを育ませることができると考える。

■さらに、部会員それぞれの構造化への取り組み、そして、それらを交流していくことにより、部会としての幹の再確認にもつながっていくことになるのではないだろうか。

■また、昨年度からの研究の副主題の設定と重点の推進により、各部会員が授業の中で生徒に「何を」気づかせ、「何を」育むかということを真剣に考える契機になっていると考える。それは日々の授業の原点からの見直しにつながり、そして、そのような姿勢で単元や授業を構成し、交流に臨むことが部会員相互の力量を高めることにもつながると考える。

■具体的な研究方法
 自分のオリジナル授業、または1年目に他部会員が洗い出した授業を用いて、中学校3年間で「民主主義・人間尊重の理念」を育めるような取り組みを行う。
※アプローチは違っても、育まれるものは同じ、と考える
研究員教育課程委員プロジェクトによる各試案を参考にしてください