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テキスト ボックス: 刊 行 の こ と ぱ

                      石狩教育研究所長 庄 司 幸 雄

 教育の現代的課題は,「豊かな人間性の育成」にあります。これには,激動
の予想される社会の変化に対応するために,自ら考え正しく判断する力をもつ
児童を育成するということが含まれていると思います。
 さて,今回石教研国語(小)部会読解指導過程編集委員会が,「読解指導過程
の基本型」を,これまでの部会研究の財産をもとに研究紀要としてまとめてく
れました。国語科の目標は「国語を正確に理解し表現する能力を養うとともに,
国語に対する関心を深め,言語感覚を養い,国語を尊重する態度を育てる」と
なっております。この研究紀要は,やはり石教研国語部会が編集主体となり当
研究所より出版した「石狩の作文指導計画(石研紀要第117号)」とあわせて,
国語科目標の到達に大きく生きて働くものと考えています。
 また,国語科は「言語及び言諸活動の教育]という母国語としての言語を直
接対象としたものであり,「ものの見方・感じ力・考え力」を育成することに
非常に大きくかかわります。子どもたちの人格の形成に大きくかかわるとさえ
いえるものと思います。
 すなわち,このことから国語科の教育,およびこの研究紀要は先にあげた教
育の現代的課題と深くつながるものであり,それだけに意義深いものだと思い
ます。教育現場で充分に活用いただけることを希望しています。
 最後に,刊行にあたりご努力いただきました石教研並びに石教研国語部会に
感謝中し上げ,刊行のことばといたします。

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テキスト ボックス: は  じ  め  に

 石教研国語部会が,「読解指導過程の基本型」を「ごんぎつね(4年)」によっ
て小冊子にまとめて発行してから,はや10年が経過しました。
 その間,年度ごとに指導過程の各段階における実践検証が繰り返され,その具体
的な指導の内容と方法を明らかにし,部会の共有財産として「石狩の教育」に集積
してきました。研究の歩みは決して速くな゛毎年同じ様な声を”との批判も聞か
ないわけではありません。しかし,そのおかけで,「読解指導過程」が理解され定着
化がなされ,管内的な規模で一般化がはかられたと言えます。
 研究の成果とあいまって問題点もあります。修正すべき事柄も含めて,この指導
過程の整理統合が必要だという声が聞かれるようになりました。さらに,「説明的
文章の読解指導」も並行して研究していますので,その成果を広く一般に問う時期
に来ているとの考えから,当部会では,62年度の事業として,この読解指導の小冊
子を発行することにしました。
 編集にあたった特別委員会では,今までの積み上げを生かして,できるだけ具体
的にをモットーに,「ごんぎつね(4年)」と「生きている土(6年)」を取り上
げて,実践をもとに,読み方指導のおさえや内容と方法,教材分析の仕方,授業展
開の実例を上げて掲載するという型を取りました。
 整理してみますと,私たちの実践にはまだまだ十分でない部分があることを痛感
しました。委員会の時間が十分にとれないこと,編集における用紙の制限もあって
実践検証の細部まで提示できなかったという編集作業上の心残りもあります。
 読みの指導は,時間をかけ,読みの方途を細かくしてやればやる程,子どもたち
の読みが深まるに決まっています。しかし,私たちの指導には物理的に限界があり
ます。叙述細部の指導については,理想と現実をわきまえ共通認識に裏打ちされた
ホンネの部分でなければなりません。その意味においては,編集にあたって読みの
指導の大切なことだけは絶対に落とさないよう配慮したつもりです。
 このような意味あいで,この小冊子を是非お読みいただき,授業に活用していた
だきたいと思います。そして,疑問点や問題点などご意見をどしどしお寄せくださ
い。それが編集委員諸氏の労にむくいることになるわけですから…
 この冊子を通して,部会員のこれからの研究のたたき台にするという願いがこめ
られています。
  昭和63年3月記


国語(小)部会   
部長 西   俊 六


 


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テキスト ボックス: あ と が き

 石教研国語部会は年月をかけ検証を重ね読解指導過程の検討究明をしてきました。その集約として
昭和53年3月に「読解指導(物語文)の基本過程」をまとめ出版しました。しかし,この段階では物
語文読解指導過程上位置づけられている「描写形象の読み」と「表現形象の読み」の関連等について
は十分究明されてはいませんでした。また,説明的文章の読解指導については全くふれられていませ
んでした。
 国語部会では,以来10年,物語文については特に「表現形象の読み(本研究紀要では,石教研の他
部会の先生にもわかりやすいようにとの考えも合わせ“形象の二次読み”と統一してあります)」の
実践的究明に力を入れてきました。また,説明的文章の読解指導過程の究明にも組織的に取り組み,
授業公開を含め熱心な研究が進められてきました。その成果を今日ここに提示することができました。
 今回は,物語文は先の研究の内容に検討を加えるかたちで「ごんぎつね(4年)」説明文では「生
きている土(6年)」を研究題材としました。展開例など十分なものとはいえませんが,日常実践に
生きて働くようなものになるようにと考え努力しましたので,ご活用いただけましたらありがたいで
す。
 研究には終りということかありません。今後の研究の中で,この研究紀要が内容的に更に深められ
ていくことを期待し編集後記とします。                      (森下  洋)


編集委員                  ※読解指導(物語文)の基本過程
「総論」                    編集委員(五十音順)    ( 53年版)
西   俊 六(石狩町立紅南小学校)        
千 葉 紀 昭(石狩町立若葉小学校)    稲 葉   稔(当時・江別市立江別小学校)
駒 場 義 剛(千歳市立緑小学校)     神 谷   栄( 同・恵庭市立島松小学校)
佐 藤 信 行(千歳市立緑小学校)     木 村   進( 同 ・広島町立広葉小学校)

「物語文」                  西   俊 六( 同 ・江別市立中央小学校)
森 下   洋(千歳市立祝梅小学校)    西 山 信 夫( 同 ・広島町立広葉小学校)
田 中 秀 隆(千歳市立千歳小学校)    畑 中   盛( 同 ・恵庭市立若草小学校)
高 橋 貞 夫(江別市立野幌若葉小学校)  牧 野 静 也( 同 ・江別市立第二小学校)
田 中 博 之(広島町立広葉小学校)    森 下   洋( 同 ・千歳市立第二小学校)
若 原 勝 利( 同 ・広島町立東部小学校)
「説明文」
西 山 信 夫(石狩町立紅南小学校)
安 郎 富 雄(石狩町立紅葉山小学校)       「読解指導過程基本型」
貞 原   宏(石狩町立若葉小学校)                   昭和63年4月
太 田 孝 志(石狩町立南線小学校)       発行者 石 狩 教 育 研 究 所
                          石教研国語部会(小)
                         読解指導過程編集委員会
                         発行所 石狩教育研修センター
                         印刷所 株式会社 誠 印 刷
                             TEL(011)643-7602